VEHICLE
Chill CARS|北米仕様の外観を用いた、高級志向のワンボックスワゴン。
『カーサ ブルータス』2023年11月号より
October 6, 2023 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Izuru Endo illustration_Daijiro Ohara
〈トヨタ〉の2代目《タウンエース》の兄弟車として、1982年に登場したワンボックスワゴンが、《マスターエースサーフ》だ。
適度な曲面を持つフラットな面で構成される車体は《タウンエース》と基本的には同一。デビュー後40年以上の歳月を感じないほどに、モダンなデザインを誇る。
《タウンエース》との違いはフロントの造形に集中しており、《マスターエースサーフ》では、北米販売版《パッセンジャー・バン》のデザインを活用したマスクが与えられた。北米の安全基準を満たした、突出量が多いバンパーを備えていたのもそれゆえだ。当時の日本車では、このように同一車の細部を変えて兄弟車とする戦略は珍しくなかった。メーカーの多くは販売チャンネルを数種類持っており、それに応じてクルマを作り分けていたのである。
《マスターエースサーフ》が販売されたチャンネルは、高級車を多く扱う販売網だった。そこで《タウンエース》よりも上位に設定され、カタログにも「贅を尽くした」というキャッチが与えられていた。なお車名の「サーフ」は、当時のサーフィンブームに合わせ、〈トヨタ〉がアウトドア志向のクルマに与えていたサブネームだ。
しかし《マスターエースサーフ》は、90年代の車種統合により1世代限りで終了。そのため現存数は驚くほど少ない。車種の区別化を懸命に行っていた時代をしのばせるワンボックスワゴンとして、今や貴重な存在といえる。
《タウンエース》との違いはフロントの造形に集中しており、《マスターエースサーフ》では、北米販売版《パッセンジャー・バン》のデザインを活用したマスクが与えられた。北米の安全基準を満たした、突出量が多いバンパーを備えていたのもそれゆえだ。当時の日本車では、このように同一車の細部を変えて兄弟車とする戦略は珍しくなかった。メーカーの多くは販売チャンネルを数種類持っており、それに応じてクルマを作り分けていたのである。
《マスターエースサーフ》が販売されたチャンネルは、高級車を多く扱う販売網だった。そこで《タウンエース》よりも上位に設定され、カタログにも「贅を尽くした」というキャッチが与えられていた。なお車名の「サーフ」は、当時のサーフィンブームに合わせ、〈トヨタ〉がアウトドア志向のクルマに与えていたサブネームだ。
しかし《マスターエースサーフ》は、90年代の車種統合により1世代限りで終了。そのため現存数は驚くほど少ない。車種の区別化を懸命に行っていた時代をしのばせるワンボックスワゴンとして、今や貴重な存在といえる。
country: Japan
year: 1982-92
seats: 8
size: L4,465×W1,685×H1,950㎜
price: approx 1,400,000 yen
special thanks to Swinging motors( TEL 080 3355 9483), Dai Sawada
※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。
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