VEHICLE
Chill CARS|印象的なコピーと画期的なレイアウトで登場したミニバン。
『カーサ ブルータス』2023年9月号より
August 13, 2023 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Izuru Endo illustration_Daijiro Ohara
クルマの広告には、いくつか印象的で忘れ得ぬキャッチコピーがある。その一つが「天才タマゴ」だ。〈トヨタ〉のミニバン、初代《エスティマ》のキャッチコピーだ。
このクルマが生まれた1990年頃は、日本にミニバンという言葉もなく、ワゴンといえば商用バンベースのステーションワゴンかワンボックスワゴンだった。特に後者は、操縦性や快適性はセダン型乗用車に及ばなかった。
しかし《エスティマ》は、先進的な卵形ワンモーションフォルムで登場。ワゴンは箱型、という概念を打ち破った。設計面でも、重いエンジンを車体中央の床下に置く、画期的なアイデアを採用。低重心化による優れた乗り心地と、高い操縦安定性を得ていた。
つまり「天才タマゴ」とは、初代《エスティマ》の斬新なデザインと設計を、端的に示していた。
内装も、外観に負けず先進的だ。それまでのクルマでは前例がないほど大きく湾曲したダッシュボードは、奥行き感を出しつつ、スイッチ類の操作性が向上していた。また、当時のワンボックスワゴンでは不可能だった、全席ウォークスルーも実現していた。
デザインから設計まで、すべてが未来志向で新しかった「天才タマゴ」。登場後30年以上を経ても、これほどに革新的なミニバンは、現れていないのではないだろうか。冒険を避け画一化が進みがちな現代のクルマと比べると、初代《エスティマ》は、新鮮な驚きを感じさせてくれる。
しかし《エスティマ》は、先進的な卵形ワンモーションフォルムで登場。ワゴンは箱型、という概念を打ち破った。設計面でも、重いエンジンを車体中央の床下に置く、画期的なアイデアを採用。低重心化による優れた乗り心地と、高い操縦安定性を得ていた。
つまり「天才タマゴ」とは、初代《エスティマ》の斬新なデザインと設計を、端的に示していた。
内装も、外観に負けず先進的だ。それまでのクルマでは前例がないほど大きく湾曲したダッシュボードは、奥行き感を出しつつ、スイッチ類の操作性が向上していた。また、当時のワンボックスワゴンでは不可能だった、全席ウォークスルーも実現していた。
デザインから設計まで、すべてが未来志向で新しかった「天才タマゴ」。登場後30年以上を経ても、これほどに革新的なミニバンは、現れていないのではないだろうか。冒険を避け画一化が進みがちな現代のクルマと比べると、初代《エスティマ》は、新鮮な驚きを感じさせてくれる。
country: Japan
year: 1990-2000
seats: 7
size: L4,750×W1,800×H1,780mm
price: approx 1,600,000 yen
special thanks to Vintage Car Try( TEL 029 291 2630)
※データと価格は、撮影車両を参考に算出したものです。
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