VEHICLE
Chill CARS|〈メルセデス・ベンツ〉が生み出した、骨太なシティコミューター。
『カーサ ブルータス』2023年1月号より
December 11, 2022 | Vehicle, Design | Chill CARS | photo_Futoshi Osako text_Izuru Endo illustration_Daijiro Ohara
〈メルセデス・ベンツ〉と、スイスの時計メーカー〈スウォッチ〉の合弁事業〈MCC〉が生み出した〈スマート〉ブランドが、最初に発表したのが初代《フォーツー》だ。
《フォーツー》のデビューは1998年。排気ガス・渋滞など、都市における交通問題への回答として開発されたシティコミューターである。全長2560mmという極めてコンパクトな車体と600㏄の小さなエンジンは、クルマとしてまさに必要最小限の要素だった。
しかし《フォーツー》は、高い安全性を誇る〈メルセデス・ベンツ〉が設計したことで、同社の上級セダンに匹敵する衝突安全性を得ていた。これを実現したのが、車体後部をコの字形にくるむ強固な骨格「トリディオン・セーフティセル」で、スタイリングのアクセントになっている。
操縦性や快適性も高く、長距離移動もこなすことができた。シティコミューターはとかく簡便になりがちだが、《フォーツー》の設計思想は骨太。一方で、〈スウォッチ〉譲りの内外装は表情豊かで、この硬軟織り交ぜた雰囲気も《フォーツー》の魅力だ。
交通の諸問題に対する都市型モビリティの決定打はいまだ登場していないが、登場後25年が経過しても、《フォーツー》の先進性は色あせる気配がない。
なお撮影車は、軽自動車規格に合わせ、日本独自の仕様が施された《スマートK》である。輸入小型車を安価な維持費で保有できたため、一定の人気を獲得した。
しかし《フォーツー》は、高い安全性を誇る〈メルセデス・ベンツ〉が設計したことで、同社の上級セダンに匹敵する衝突安全性を得ていた。これを実現したのが、車体後部をコの字形にくるむ強固な骨格「トリディオン・セーフティセル」で、スタイリングのアクセントになっている。
操縦性や快適性も高く、長距離移動もこなすことができた。シティコミューターはとかく簡便になりがちだが、《フォーツー》の設計思想は骨太。一方で、〈スウォッチ〉譲りの内外装は表情豊かで、この硬軟織り交ぜた雰囲気も《フォーツー》の魅力だ。
交通の諸問題に対する都市型モビリティの決定打はいまだ登場していないが、登場後25年が経過しても、《フォーツー》の先進性は色あせる気配がない。
なお撮影車は、軽自動車規格に合わせ、日本独自の仕様が施された《スマートK》である。輸入小型車を安価な維持費で保有できたため、一定の人気を獲得した。
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